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【判決要旨】ガラスカッターホイール事件(22-10016)

<事件名>

ガラスカッターホイール事件

平成23年4月14日判決言渡

平成22年(行ケ)第10016号 審決取消請求事件

 

<テーマ>

進歩性

 

<事件の概要>

本件特許発明は、ホイールの円周部にV字形の刃を設けているが、その刃先に打点衝撃を与える所定形状の突起を形成したことに特徴がある。原告はガラスカッターの外周刃先に半径方向と所定角度傾けた条痕(筋状の傷)を設けた先行例1、ガラスカッター刃の刃先を微小な鋸刃状とする先行例2、瓦カッターの円周刃に一定間隔をおいて切欠を設けた先行例3を提示し、無効審判を請求したが、無効が成立しなかった審決を争ったケースである。

 

<判示>

引例には、ガラス板に板圧を貫通するほどの極めて長い垂直クラックを発生させる程度の打点衝撃を与えるという技術思想について,打点衝撃を与える所定形状の突起に係る構成やその作用効果に関し,いずれもこれを示唆する記載はない。

引用発明3の瓦カッターにおいて,ガラス瓦を切断することが可能であったとしても,そのことをもって,直ちに瓦カッターに関する知見をガラスカッターホイールに転用することについて動機付けや示唆が与えられるものではない。

 

<指針事項>

 本件発明は、クレームし難い技術である。突起が果たすべき役割としての「打点衝撃を与える所定形状の突起」という表現により引用例との差別化がなされている。「打点衝撃を与える」とは目的ないし効果であるため、そのような目的ないし効果を果たすことができる手段をクレーム構成とすべきと思われるが、その点を争った形跡はない。


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